普段の日常

私は福島県本宮市で水道修理を営む者です。個人経営ですが、そこそこ仕事はあり、毎日楽しく働いています。 若い頃は水道修理にかかわる会社で修行していましたが、いっぱしの腕にもなると、もっとお金が欲しくなり独立しました。 最初は仕事がなく、営業経験がない職人肌でしたから、収入ゼロの月もありました。

しかし、息子に頼んでインターネットの紹介サイトに登録してから、結構、仕事が舞い込むようになり現在に至ります。 今日の仕事も、そのサイトから連絡を受け受注したものです。 お客様のお宅は、住所を聞くとビール工場のすぐ側だとピンときました。その辺の住宅街には度々、仕事でお世話になっています。

まだ若い新婚さんの家庭のようですが、共働きで2人とも仕事が忙しいようで、在宅してはいないのですが、鍵の隠し場所を伺っているので、一人でこれから伺おうと思っています。 お客さんの家に向かう途中、ビール工場が見えてきた辺りから、麦を焦がしたような匂いが漂ってきます。「ああ、ビール呑みたい」などと沸き起こる雑念を払いのけ向かいました。 お宅は1戸建ての建売風の住宅で、いかにも今どきのスタイルです。

指定された場所には鍵があり、それを使い中へ。 台所に向かうと、昨晩、聞いた情報を反芻しました。「キッチンの蛇口から水が飛び散るように出て床が濡れて困る」とのことです。 とりあえず止水栓を止め、蛇口を点検しました。詰まりの原因は内部のようですが、かなりの劣化が見られ、蛇口ごと交換したほうがよさそうです。

私は車まで取って返し、同じ口径で、似たようなデザインの蛇口をチョイスしてキッチンに戻りました。 レンチやドライバーを使い、蛇口の交換です。カウンターの中にもぐりこんだり、結構、時間がかかる作業です。それなりの料金をいただくわけですから手は抜けません。

仕事に誇りを持つ私の仕事はいつも丁寧です。1時間弱、じっくり作業して終了しました。 今回は、お客様が不在ということで私にとっては楽な作業でした。営業が苦手で職人になった私にとって、一人での作業ほど理想的なものはありません。お客様に気をつかわず、仕事ができた一日だったと思います。