私は水道修理屋をしていますが仕事を通して少しでも被災地復興に貢献できればと思っています。今日は福島県の浪江町のお宅に風呂の詰まりの修理に行きました。避難解除になったばかりの頃は少し修理の電話が入ると気が進まないような気持ちを持ってしまっていました。
でも、何度か修理に行っているうちに、やっぱりここに住みたいという人たちが帰って来たんだなと感じました。今回のお宅はご主人がどうしても戻りたいということで長いこと奥さんとバトルしていたそうですが、子どもたちが独立したのを機会に奥さんが折れて帰ってきて一年がたったというお話でした。震災の被災地になったことでさらにご主人の郷土愛は強まったという話でした。
自分もずっと地元で住んでいるけどそんな郷土愛なんかは持っていないことは間違いないとづくづく思いました。2階建ての小さな新築のお宅でした。新たな気持ちで出発したいという気持ちから退職金を使って立て替えたそうです。 奥様は早朝から仕事に出ておられて、おしゃべりの旦那様が対応することになったようです。
朝電話をもらいましたが、昨日の夜風呂の湯を流そうと思ったら流れなくなってしまったと連絡を頂きました。 風呂場の掃除はご主人がいつもされているそうでその時だそうです。排水トラップはとても綺麗に掃除されていてピカピカで汚れが原因ということは全くなさそうでした。ボコボコ音が聴こえて何か詰まっているようだったのでワイヤー式パイプクリーナーを排水口から挿入し排水管のカーブに従い奥へ奥へ。
このカーブは実際見えなくても感覚で予想出来てしまうのは自分でもスゴイと思ってしまう所です。何かに当たり動かした感触がありました。水がガーと流れると台所で料理をしていたご主人が飛んできて「あー良かった」と満面の笑顔でした。
奥さんは看護士で現役で働いていて家事はご主人が全てやっているというから偉いなと思いました。我がままを言って浪江町に戻ったんだから家事くらいやらなきゃという気持ちでいると話されていました。自分の作業と同時にご主人が作った煮物の美味しそうな臭いが鼻に届きご主人の家事に協力出来てよかったななんて勝手に思ってしまいました。