桜を愛すご主人でした

国の天然記念物であり日本三大巨桜のひとつである樹齢推定1000年超のベニシダレザクラ、通称三春滝桜のある福島県三春町は多くの桜愛好家が訪れる場所です。 三春町は福島県のほぼ中央部、郡山市の北東に位置していますが内陸の穏やかな気候の為、冬の降雪も比較的穏やかな点は非常に過ごしやすい環境ともなっています。

しかしそんな福島県の三島町も2011年の東日本大震災、その後の東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響が色濃い相馬市や南相馬市に近いとあって、 今までのような観光客の皆さんの賑わいは減り、どこか寂しさも感じられます。 今回水回りトラブルの修理事例を挙げるにあたりご紹介させて頂くお客様は、そんな賑わいを取り戻すべく一生懸命奮闘されている宿泊施設のご主人よりのお電話でした。

私も福島の出身の為、やはり今の現状を鑑みると胸の内が複雑な気持ちになるのですが、今回、三春町で洗面台の水漏れ修理を依頼して頂いたそのご主人も、三春の滝桜を愛し以前のような賑わいを取り戻したいとの強い思いをお持ちのお客様でした。 最初お電話をお受けした際は、担当の業者さんでのご確認の後という話でしたがそちらの業者さんも今は手薄でトラブル解消に回れないというお話を受け、弊社をご利用いただいたとの事。

大まかな作業料金は凡そ水回りの作業を行う人間であれば、料金的な差異も大幅には変わらない事は承知しているのですが、念のため同業他社様との違いをお話をさせて頂き、現場の洗面水漏れの対応にお伺いいたしました。 到着後現場を拝見し洗面台の水漏れを確認しましたが、修理内容的にはコマパッキンの交換という比較的簡単な作業で作業終了となりました。

ですがその他にも空室があったため、取り急ぎでの修理を不思議に思いご主人にお伺いしたのですが、その経緯に思わず私も胸が熱くなったのは言うまでもありません。 それはご主人を亡くされた奥様とその家族の方が思い出のあるこのお部屋に再び泊り、またあの桜を見に行かれるとのお話を目の前のご主人からお聞きした時は、また福島に来てくれるお客様のありがたさを私自身も実感させて頂いた瞬間でした。

立場は違うとはいえ福島を、「今も思い出の地」と言ってくれるお客様を宿泊でお迎えするご主人と、間接的ではあれその一部分に私自身も参加させて頂ける事は、今の福島の人にとってどれほど嬉しい事なのかは想像して頂けると思います。 あの時の地震とあの事故を乗り越える為にも、今回のご主人のような諦めない信念を、私自身も見習いながらこれからも水回りのトラブル解決に従事していこうと考えさせられた案件でした。 今後も水回りのトラブルが発生しましたら、是非弊社までご連絡いただけますよう宜しくお願い申し上げます。