懐かしさを感じながら

私は水道修理屋をしています。今日は福島県の三春町で洗濯排水の詰まりでお困りのお客様のお宅へ訪問し修理をしてきました。この近くは昔来たことがあると思い出しました。中学生の時野球をやっていて大事な試合の前に肘を傷めてしまって監督の車で「斎藤の湯」という所に連れてきてもらったのです。狭い風呂にみんなで肩をすり寄せて入った光景が目に浮かんできて思わず笑ってしまいました。

監督曰く癒しの湯で一回行けば必ず痛みがなくなるというのでそれを信じて、成長痛だの腰痛だのも集まって来てみんなで行ったのです。結局一回行っただけで治るはずもなく自分は出場できなくて試合には負けてしまいましたがいい思い出でした。「まだあるのかな?帰りに寄ってみるか」なんて思いながら走っているとお客様のお宅に到着しました。

この辺りは周りが塀に囲まれていない住宅が多いようでしたが、このお宅もそうでした。インターホンを押すと60代位の背の高い多分170センチ以上はあるだろう女性が小さい女の子を抱っこして出て来ました。「早かったですね」と早速洗濯機の置き場に案内されました。電話で聞いていましたがドラム式で排水口から水が溢れ出て来てしまったのだけれどホースがつながっていて中を見ることが出来なくて、洗濯機のメーカーに先に電話したら水道修理屋に聞くように言われたということでした。「周りの水は少し掃除しておきました」と女性が話すと女の子が「ピチャピチャだよ」と教えてくれました。

少しまだ水が残っていたのでその事を言っていたんだなと思いました。ホースは業者なら簡単に外せますが素人では難しいと思われるお客さんは多いですね。ホースを外し洗濯機を脱水モードにして水を流すと勢いよく流れたので排水溝が詰まっていると確信。取り外せる部品は全て取り外しブラシとクリーナーで綺麗にし、取り外せないトラップより下の配管部分には高圧洗浄を提案し費用に納得していただけたので洗浄させていただきました。女の子は高圧洗浄機に興味津々だったようで、作業の間中、扉に半分隠れながらずっとこちらを見つめていました。最後に女の子に「ありがとう」と言われて何だかホッコリとした気持ちになりました。 こちらこそありがとうございます。